20045月のトレイル
 UPDATE 04/05/28


5月下旬、空や山には既に初夏の香りが漂っていた。

里山の合間の集落を抜けてゆく。
日当たりはむしろ暑く、日陰へと急いで進んでゆく。

車道の終点からトレイルに入る。
杉林を抜ければ再び強い日差しが照りつけるが、湿度は少ないので山の上ならむしろ心地よい。

山頂に近づくにつれ、周囲の景色が高度感を増してくる。

平日の午後、まるで時が止まったかのような時間だった。
今は入梅前の身支度の期間なのだから。

さあ、待望の下りが始まる時はいつも胸が高まるものだ。

北斜面に入ると、トレイルは急に荒々しい様相を呈してきた。
ここは下車。ダウンヒルじゃないのだから、トレイルでは決して無理はしないのだった。

やがて傾斜が落ちてくれば、トレイルの表情は急に和やかになってきた。

シダも青々としてくるこの時期、杉林のトレイルが一番美しい頃ではないだろうか。

里はもうすぐそこだ。



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